シャボンの中の天使
「なにして遊ぶ?」
「ママ~まだぁ?」
「ちょっと待ってよ。望(のぞむ)」
わたしは、鏡の中を覗き込み、頬に日焼け止めを塗り込む。
目の下には、大きなクマ。
昨晩もまた、眠れなかった。
朝方、ようやく、うとうとしかけたが、隣で寝ている望の足が顔面に飛んできて、結局、一睡もしていない。
寝不足の頭でなんとか、父と望の朝ごはんを作って片付けを終えたところだ。
今日は日曜日。
保育園が休みの望は、わたしとは正反対にとても元気だ。
「ママ~早くぅ」
「はいはい。ちょっと待って」
腕と首にも、しっかり日焼け止めを塗って、少し大きめの帽子をかぶった。
望の分の青い帽子を手に持って、庭に出る。