イージーラブじゃ愛せない
っつーワケで今夜も胡桃ちゃんはお泊り。お泊りっつーか、ほんともう半同棲。
「ただいまー。あー眠い」
「おかえり~。俺も眠い~」
もはや『ただいま』っつってアパート入るからね、胡桃。んで、何故だか俺が『おかえり』って。ワケ分かんなくて笑えるけど、楽しいからまあいいやって思ってる。
「胡桃、先シャワー浴びる?それとも俺が先に入りながらお湯溜めといてあげよっか?」
「んー、シャワーだけでいいや。先に入らせて」
マフラーをほどいてハンガーに掛けている胡桃にキスをしてから尋ねると、そんな答えが返って来た。寒がりな俺の恋人(だと思ってるよ)はすぐに足が冷たくなっちゃうから、ちゃんと湯船に浸かった方がいいんだけどなあ。
「あったまんなくていいの?」
「うん、今夜はいいや」
「じゃあ後で俺がベッドであっためてあげんね」
はい、お約束のチョップ頂きました。調子こくと0、5秒でビシッと来るからね。
アホな事をほざいた俺を冷ややかな目で見てから、胡桃は自分の着替えを持ってさっさと洗面所へと入っていく。
それを見送ってから俺も自分のネクタイを解いてクローゼットへと掛けた。