イージーラブじゃ愛せない
○泣き顔ロンリー○

○泣き顔ロンリー○



「昨夜はゴメン」


たったそれだけの言葉を吐き出すのは私にとってちょっと……いや、正直かなり癪だった。



いきなり帰ってしまった翌朝。私は出勤途中で顔を合わせたジョージが口を開く前に頭を下げた。


素直に謝られるとは思ってなかったんだろう、ジョージが不機嫌そうだった顔を一変させて驚いている。

そんなにビックリするな。私だって本当は頭なんか下げたくないんだから。

けど、さすがに。昨夜の行動は衝動的過ぎたと自分でも思うし。


「頭下げなくていーよ、怒ってないから。でも、なんで昨日帰っちゃったかは教えて?」


私の肩を優しく掴んで、ジョージがまっすぐにこちらを見つめる。そんなやりとりを朝の歩道でしている私達はなかなか注目の的だ。

こっぱずかしい。早く立ち去りたいと思うけど、その続きの言葉は私の口からはなかなか出てこなかった。


だって。悪いけどそれは言えない。自分でもあまりにどうかと頭を抱えるんだもん。
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