イージーラブじゃ愛せない


――俺、寂しがりやだからどうなるか分かんない――


あんな一言が、自分でも驚くぐらいショックだったなんて。ひと晩経った今でも認めたくない。


馬鹿だと思う。アホだと思う。何をジョージに期待してたんだって、自分をぶん殴りたくなる。

けれど。


『大丈夫だって!俺たち離れたって絶対友達だし!』


以前、飲み会で意気揚々とそう言ったジョージの台詞を思い出す。

全く同じ話題だった。いつかはみんな店舗移動でバラバラになっちゃうねって。

なのに、昨日ジョージの口から出たのは180度違う台詞で。


…………なんで。

友達なら“絶対大丈夫”で、恋人だと“どうなっちゃうか分かんない”になるのよ。


『寂しがりやだからどうなっちゃうか分かんない』って。ああ、そっか。寂しいから手近な女とまたイージーラブしちゃうかもって、言い訳か。


それに気付いた時、急にジョージのあったかい胸に抱きすくめられてるのが馬鹿らしくなった。
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