イージーラブじゃ愛せない


私、何をコイツに期待してたんだろう。


最初から分かってた事なのに。コイツは友達は大切に出来ても、恋人には誠実でいられないって。



だから私は。
絶対にジョージの恋人にはならないって決めてたのに。



最近少し甘えすぎてた。一緒にいて楽しいから、心地いいから、ちょっと側にいすぎたのがいけなかったんだ。

恋人まがいの甘えたはもうお終い。ちゃんと戻ろう。ただの『友達+セックス』の関係に。


そう心にしっかり決めて出勤した朝は、昨夜は見たくも無かったジョージの顔さえ素直に正面から見つめ返すことが出来た。



「なんでもない。昨夜は機嫌悪かっただけ。ただの気紛れ。だから気にしないで」


昨夜帰った理由をそうテキトーに濁すも、ジョージは納得のいかない顔をしている。しつこいな。


「んな顔しないでよ。そーだ、お昼、日替わり奢ってあげるからさ」


そう笑って私は肩を掴んでいたジョージの手をゆっくりはがした。


これでいいんだ。一緒にご飯を食べて笑い合えるぐらいの関係がちょうどいい。

甘えたり、頼ったり、そんなかったるい事はコイツとする事じゃない。


そんな事を期待して傷付くなんて、私、そこまで馬鹿な女じゃない。

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