イージーラブじゃ愛せない
●解散カウントダウン●
●解散カウントダウン●
4月の空気はまどろみすぎてると思う。
ただでさえ眠気を誘うこんな季節に講習を行う方が悪いと、俺は不当性を必死に友達に訴えた。
「でね、よりによって昨日の最終便でメーカー新作のリビングセットが届いたワケよ。そしたら星野さん『これ全部ディスプレイしたら帰っていいぞ』って」
「へー」
「リビングセットだよ?一部屋作れって言ってるのと同じじゃん?ほんっと星野さん鬼だよね。んで、終わって家帰ったのが24時過ぎね」
「ふーん」
「いや、まだ続くよ?そんで今日、俺、研修の前に2時間早く出社して昨日の片付けとプライスプレート作って来たからね。超エラくない?もうこの時点でクッタクタなワケ」
「だからって講習中に居眠りしていい免罪符にはならないよね」
「あー!!もうー!!同情して!!」
いよいよ始まったリーダー研修初日。俺はなんとその講習中に居眠りをぶっこいてしまった。
隣の優吾に肘でつついて起こされた時、目に飛び込んで来た主任の顔と言ったらもう。あー思い出しただけでヘコむヘコむ。
午前の講習が済み、一緒に受けた胡桃と優吾と社食で昼食をとりながら俺は午前の失態を嘆き続けた。