イージーラブじゃ愛せない
ぶん殴ったろか。
心配してくれてると思って甘受してきたけど、いい加減これってもう迷惑だ。ウザい通り越してジョージを嫌いになりそうだ。
「俺、柴木ちゃんのことすげー大切なの!めっちゃ大切!友達の中で1番大切だと思ってる!だからこーいうの耐えらんねっての!」
「大切でも友達にこれ以上口出しする権利はないよ。てか友達なら静かに見守れ」
思いっきり睨みつけて言うと、ジョージはぐっと口を噤んで、それから私の肩を掴んだままうなだれた。
しばらく沈黙が流れて、夜風が吹くたび近い距離のままのジョージからシトラスの香りがする。
「俺……柴木ちゃんと友達でいるの、正直もうしんどい」
うなだれたままのジョージの口から、彼らしくない静かで苦しげな声が漏れた。
その言葉に、ショックと怒りが湧く。
「しんどいなら辞めれば?自分の思い通りにならないからって、勝手にしんどくなられても凄い迷惑」
思わずそう言い返した口は、
2秒後にキスでふさがれていた。
強引に深く重ねた後離れた唇から今度は
「辞めたくなかったのに」
ジョージはそんな言葉を吐き出して、泣きそうな顔で私を見つめた。