イージーラブじゃ愛せない


すげー柔らかいな柴木ちゃん。何これ超抱き心地いい。うあー。こんなやわやわな身体を抱きまくった成瀬さんにマジで殺意湧いてくるわ。くそ。


「あんた何言ってんの」


俺の一世一代の告白にも関わらず、いつも通りクールに返す柴木ちゃん。でも、クールな声がちょうど抱きしめた俺の耳に掛かるから、ゾクゾクくすぐったい。



究極に大切な友達。

恋人になっちゃったらどうなるかなんて、俺には分かんね。

でも、絶対に大切に続けるから。絶対に、イージーな恋になんてしないから。



「友達辞めよ、柴木ちゃん。俺と付き合ってください」



もう他の男に抱かれないで。他の男にキスさせないで。『胡桃』なんて名前で呼ばせないで。

それ全部、本当は俺がしたかったことだから。ずーっと。


「ずっと好きだった。すんげー好きだった。好き。あーもう、超好き。もう柴木ちゃんって呼ばない。胡桃って呼ぶ」


口にすると想いは加速して、俺は突き動かされるようにもっかい柴木ちゃん…じゃない、胡桃に唇を重ねた。
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