イージーラブじゃ愛せない
「はいはい、ありがとうございました」
私は吐き捨てるように雑なお礼を言うと、玄関先に立っている成瀬先輩の手に買ったばかりの牛乳のパックを押し付けた。
「なんだよこれ」
「お礼です。安かったから2本買ったの。朝食の時にでも飲んで下さい」
「馬鹿、いちいちこんなので無駄遣いすんな」
馬鹿とはなんだ。お礼お礼煩いからせっかくあげたのに。
少々ムカつきながらも、成瀬先輩の本当の要求を交わしてる事も分かっている。
「お前得意だろ、『身体でお礼』っての」
あげた牛乳をさっそくべリベリと開けて口を付けてから、成瀬先輩はこれまた毎度の台詞を吐き出した。っつか行儀悪い。コップに汲みなさいっての。
「もうそれ辞めたって何度も言ってるでしょ。あんまり言うとセクハラで訴えますよ」
「よく言うよ。あんなにあっけなく寝てた女が」