イージーラブじゃ愛せない
そうして、大切な友達が恋人になった……筈の朝。
目が覚めて俺の瞳に映ったのは、想像してたような恋人の可愛い寝姿や甘い「おはよ」ではなく。
『帰る』
とだけ、ざっくり書かれたメモが枕に挟まれ空しくヒラヒラしていた。
「……えー。えーえーえー。何これ。えー」
いやいや。あのクールな胡桃がいきなり甘えたになるとは思ってなかったけどさぁ。でもいくらなんでもこれはクールすぎっしょ?
……彼女なりの照れ隠しだと思いたい。せめて。
友達だと思ってたやつといきなりこんな事になっちゃって、胡桃だって恥ずかしいんだって。無理矢理にでも思っておきたい。じゃないと。
この素っ気無いメモから『昨夜のこと後悔してる』って、オーラがビシビシ伝わってきちゃうじゃん。