イージーラブじゃ愛せない


「寂しくなるね。風間くんがいなくなると」

「僕たち、入社した年からずっと仲良かったもんね」

「4人でよく遊ぶようになったきっかけはやっぱ4年前の海だよね。りんが風間くんに告白したやつ。あの頃からなんだかんだ4人で集まること多くなった」

「それはそうだけど、ちょっと違う。あれ、告白したの僕からだから」

「あれ。そうだったの」

「うん」


たわいもなくて懐かしい会話が愛しいと思った。

4人でいた時間は本当に楽しかったなって、改めて思う。解散のスタートが切られてしまったこの期に及んで。


「どこ行っても、はしゃぐのはジョージとりんだよね」

「そうそう。で、大体僕らが止めたりツッコんだりする立場」

「私たち時々保護者やってるみたいだよね」

「あはは、確かに。でも、あのふたりがいると凄く明るくなるよね。笑いが絶えない」

「それは言えてる。……時々思うよ、ジョージやりんには敵わないなあ、って。明るくてまっすぐで強くって。一緒にいると時々自分が情けなくなっちゃうくらい」


こんな事を口に出せたのは目の前にいるのが風間くんだからだろうな。

彼の寂しい気持ちに便乗してるみたいで申し訳なく思いながら、少しぬるくなったビールを一気に喉へと流し込んだ。
 
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