イージーラブじゃ愛せない
別れを惜しむように、4人での飲み会は以前より頻繁に行われ、休日をあわせてみんなで遠出して遊びに行ったりもした。
こんな風に仲間との別離を惜しむのは学生の頃だけかと思っていたけど、そうではないんだなと改めて知る。
幾つになってもなんのかんの子供の頃と変わらないもんだ。
長い時間、同じ場所で苦楽を共にして来た仲間。いっぱい笑い合えた日もあれば、落ち込んで愚痴を聞いてもらった時もある。仕事を通して将来を語り合った日だって。
それがどんなに大切だったかに、大人も子供も関係ないのかも知れない。
きっと4人とも同じ想いを抱えながら1日1日を過ごしていたと思う。
入社してからもうすぐ4年。かけがえのない幸せな時間だった。
風間くんと、りんと、ジョージと、私と、4人。
会えて良かった。
友達になれて、同じ時間を過ごせて良かった、って。
3月の4週。
最後の飲み会で風間くんは別れ際に私に告げた。
「僕が離れてる間、りんかのこと頼むね。それから、ジョージと仲良くね」
と。
りんと同じく、自分が大きな寂しさを抱えてても彼は最後まで友人へのおせっかいを止めず。
優しい目で微笑まれて伝えられたそれは素直に心に響いて、少しだけ私の背中を後押しする。そして。
――――4月。
新店舗開店による今年度2度めの辞令が発表された。