イージーラブじゃ愛せない


その触れた指先が、なんだかもう嬉しくてたまんない。悔しいんだけど。


「もしかして今切ってきたの?あれ、そう言えばりんりんは?一緒に来るっつってたよね」


思い出したように不思議そうな顔をして、ジョージが尋ねる。その質問に、私はグッとお腹に力を入れてから答えた。


「りんは……来ない。私にひとりで行って来いって、激励して送り出してくれた」

「え?」

「最後に気持ち全部ぶっちゃけて来いって。だから、ひとりで来たの。文句ある?」


我ながら可愛くなく突っかかった言葉に、ジョージはキョトンとした表情を浮かべてからゆるりと口元を綻ばせ

「そっか。ありがと、来てくれて」

少しだけ琥珀がかった瞳で私をじっと見つめた。


けれど。さて。

ぶっちゃけるとは言っても何から言えばいいんだろ。私は自分でも筋金入りの意地っ張りだって自覚してる。それをいきなり素直に全部ぶっちゃけろったって。いざとなると難しいな。

余裕をもって待ち合わせしたとは言え、時間だって限りがある。

気持ちを焦らせながら口を開けば

「……私、今でもジョージと初めて寝た日のこと後悔してる」

いつにも増して下手くそな伝え方から始まってしまった。
 
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