イージーラブじゃ愛せない
「……あの……ごめん…………言い過ぎた。……あの、冗談だから、気にしないで」
口が勝手に震える声で取り繕う。ますますみっともない。
なのに、涙までまたポロポロと溢れ出してきちゃって。ああもう逃げ出したい。
ジョージの眼差しが怖くて、逃げるように俯く。
どうしよう。嫌われた。
その事実が怖くて怖くて、足さえ竦む。
もうこれ以上取り付くしまも無いのに、震える唇からは
「……ウソだから、ゴメン…………き、嫌いにならないで……」
情けなく縋る言葉が勝手に零れた。
私どんだけジョージのこと好きなんだ。
後悔と恐怖で怯えてる自分に呆れながら、弱々しく後ろに一歩後ずさった。
けれど。
ジョージの手が優しく私の両肩に置かれ、それを引き止める。
驚いて顔を上げると、ジョージはまっすぐに私を見て、どこか大人びた眼差しで口を開いた。
「柴木ちゃんの気持ち分かったよ。全部受けとめる。約束したっしょ。だから」
――――ともだちブレイク。
雁字搦めになっていた4年越しの友情が、ジョージの一言で壊れた。
「友達やめよ、柴木ちゃん。俺と結婚して下さい」