イージーラブじゃ愛せない



そんなワケで、9月。

青い海と空に囲まれたハワイの教会で、俺と胡桃はふたりだけの結婚式を挙げた。


純白のマーメイドドレスに身を包んだ胡桃は、もう綺麗なんて言葉じゃ言い表せなくって。

長い睫毛のクールな瞳も、今日ばかりは幸せに輝きっぱなしだった。



「好きだよ、胡桃。今日も、明日も、これからもずっと愛してる。一生大切にする」


誓いのキスの前に、ベールを捲りながら伝えると胡桃は


「知ってる。大切にしなきゃ許さないから」


綺麗な形の唇を、嬉しそうに綻ばせながらそう言った。



3年前は『チャラ過ぎて信じらんない』と冷笑された愛の言葉も、今は彼女の全てで信頼されてる。



長かったね、この3年間。俺もようやくチャラ男卒業できたかな、なんて思ったり。


友達から始まって何周も遠回りをした恋。周りに心配掛けたり応援されたりしながら、ようやく俺も胡桃もちょっと大人になれたみたい。


まあ、まだまだこれから始まるんだけどね。ふたりの愛は。



俺は世界一綺麗で大切な花嫁に、優しいキスをしながら心で誓った。



健やかなる時も病める時も、ショボくれてる時も笑いたい時も、いつだって一緒に笑いあいながら飯が食える。そんなかけがえの無い存在であり続ける事を誓います。

ってね。





●おわり●

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