イージーラブじゃ愛せない


当たり前だけど、これっぽちもやましい事は無いので私は淡々と説明してやる。

けれどジョージは眉間に皺を寄せるとしばらく画像をじっと睨んでいた。


「……消して欲しい」

「は?」


イジケ度100パーセントの面持ちで言ったジョージの言葉に私は耳を疑った。


「胡桃がこーいう表情すんの、今まで二次元だからと思って我慢してきたけど。例え声優でも三次元の男相手にこんな顔されるのはすげー嫌だ。消して」

「はぁあ!?」


信じらんない。そこ妬くところ?しかも画像消して欲しいって。こんなしょっぱい事言うジョージ初めて見たわ。


「馬鹿じゃないの?三次元ったって声優じゃん。中の人じゃん。私の目にはこの人は王子社長に映ってんの」

「なおさらやだ。そんな2・5次元みたいな男。絶対俺敵わないじゃん」

「だから張り合うなっての。土俵がちがうんだから。それに消すのやだ。こっち引っ越してきてから滅多にイベント無いんだから、こんな機会もう無いかもしんないし」


私的には理詰めな正論だったと思う。けれどジョージは思いっきり口をへの字に曲げると

「もーいい。胡桃のあほ」

と捨て台詞を吐いて、寝室へと閉じ篭ってしまった。子供か。
 
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