イージーラブじゃ愛せない
●さみしんぼフューチャー●

●さみしんぼフューチャー●



胡桃のアホ。

何が心配するなだよ。何が静かに見守れだよ。メッチャ厄介なことになってんじゃん。


知らなかったよ、胡桃がこんなに危なっかしいなんて。こんなにバカだなんて。

俺、今、猛烈に怒ってるからな。



「なんだ、高倉じゃん」


俺に手を掴まれた先輩は、振り返って嘲笑を浮かべた。

キッチン部門の三沢さん。同部門ではないけれど、俺この人と仕事した事ある。催事部門は顔が広いからね。


「ビックリさせんなよ」


そう言って俺の手をはがそうとしてるもうひとりの小池先輩もキッチン部門の所属だ。


ふたりとも女好きなのは知ってる。前に女の子の話で盛り上がったことあるし。

ただ、この人達ちょっと物騒なんだよね。『戦利品』なんつって、女の子としてる動画なんか自慢してきたりして。俺、ドン引き。

そーいうの、撮るのも他人に見せるのもルール違反じゃないの?


だから、女の子を物みたいに思ってるこの危ない人達に胡桃が関わるとか。勘弁してほしいんだけど、マジで。

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