イージーラブじゃ愛せない
それより、全然準備してなかったのに、成瀬先輩よく抱けたなーなんて変なことに感心しながら、サイドボードに置かれてる鞄に手を伸ばした。
窓の外はまだ暗い。っつかここ何処?ラブホ?
まだお酒の残ってる頭でスマホを取り出し時間を確かめようとする、と。
「うわ」
ジョージからしこたま送られて来たラインに加え、着信履歴3回。なんなんだアイツ、やばいぞ。
あーでも、途中で既読付かなくなって心配掛けたかも。そう思って一言だけ『ごめん』って送ろうと思ったとき。
「……またライン?」
背後からいつのまにか起きていた成瀬先輩に手を掴まれた。
「あ、ビックリした」
「セックス中もすごい通知鳴ってて萎えるかと思った」
「そうですか。てか、私やっぱり成瀬先輩としたんですね」
「覚えてないの?」
「酔ってたんで全然」
そう答えて返信の続きを打とうとしたら、スマホを取り上げられたうえ、身体をベッドに引き込まれ組み敷かれてしまった。
「じゃあもう1回、やり直し」