イージーラブじゃ愛せない
ついにボロボロと涙を零してしまったりんりんの頭を、優吾がそっと優しくなでる。ものすごく愛しいものを見る目でりんりんを見つめながら。
「僕も自信あるから。寂しいけど、不安にはならない」
そうはっきりと言った親友の姿は、俺の目にはすげー大人に見えた。
優吾もりんりんも、ちゃんと覚悟があって付き合ってるんだな。なんかそれって凄いよ。今さら将来を考えて寂しくなっちゃった俺とは違う。
赤くなった鼻を啜り上げるりんりんと、そんな彼女を凄く優しい笑顔で見つめる優吾と。
俺は何があってもこのふたりが超絶幸せになる事を、本気で、ガチで、心の底から祈った。
と、俺が親友カップルの愛に心打たれてもらい泣きしそうになってると。
「偉いね、りんも風間くんも。まあふたりなら大丈夫でしょ。今は北海道だって2時間足らずで行けちゃう時代なんだし、どこに移動になったってその気になればすぐ会えるもんね」
俺の隣の席でビールをゆっくりと口にしながら、胡桃が温かい目でりんりん達にそう声を掛けた。