イージーラブじゃ愛せない



「ジョージ、少し変わったげる。あんたも休みなよ」


風間くんが椅子に座ってりんと話し始めたタイミングを見計らって、私はジョージに声を掛けた。

ジョージはなんだかんだとずっと軍手を外してない。火を起こしたり材料を焼いたり、途中で火の加減をしたり。

それは風間くんもだけど、彼は適度にビールを飲んだりしながら上手に息を抜いてる。


バーベキューは男の仕事とは言え、ずっと動きっぱなしのジョージを私は少し休ませる事にした。


「ありがとー。柴木ちゃん、やっさしー」


ヘラリとそう笑うものの、ヤツは手からトングを離す様子は無い。


「火は落ち着いたんでしょ。あとは焼くだけなら私でも出来るよ。ほら、どいたどいた」


ジョージの手に無理矢理コーラのコップを押し付け、私は食材の皿を持ってコンロの前に立つ。なのに、ジョージはコーラを一口飲んで置くと、どういうわけかニコニコと私の隣に立つではないか。


「何よ」

「一緒に焼こ。俺、海老焼くから柴木ちゃん烏賊ね」

「ひとりで充分だってば」

「あーほら、焦げる焦げる」
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