イージーラブじゃ愛せない
友達に、戻りたい。
またふたりきりでも屈託無く笑い合える関係になりたい。晩ご飯だってお酒だって、ふたりで楽しめる間柄になりたい。
胸が痛くなるほどそんな事を思ってしまったのは、ビールがほどよく回っていたせい。もしくは、秋の空が綺麗過ぎてセンチメンタルな気持ちにさせるせい。
「そんな顔しないで」
いつの間にか私をじっと見ていたジョージの声に、ハッと我に返る。
ウソ。今、私、顔に出てた?うわ、最悪。
「俺、柴木ちゃんに告白したこと後悔してない。でも、そんな顔されると申しワケ無い気分になる」
勘のいいヤツ。どうして私の考えてる事分かっちゃったかな。それとも、私そんなに無防備な表情してたのかな。
でも、それを素直に認めるのは癪だ。
「別に、あんたの事考えてた訳じゃないし。帰ったら洗濯物溜まってるの思い出しただけ。あー憂鬱」
「ははは、そっかぁ」
笑ってジョージは私のお皿に焼きあがった海老を置く。1番大きくて綺麗に焼きあがった海老。そして風間くんとりん用にも海老を取り分けたあと、最後に少し焦げた海老を自分のお皿に置いた。
それを見ていて、なんだか泣きたくなった。