イージーラブじゃ愛せない
「ジョージ、馬鹿だしチャらいけどさ。でもアイツが好きな人に優しい気持ちは嘘じゃないよね?」
「どしたの、りん?」
急にそんな事を言い出すりんの瞳は、まっすぐに私を見てて逃げる事を許さないみたいだ。
「優吾に聞いた。ジョージ、柴木ちゃんのこと好きなんでしょ?」
……あーあ。知ってたんだ。
りんには知られたくなかったのになぁ。てか風間くんにも。
せっかく4人の時はまだ普通にしていられたのに、知られちゃったならもう無理じゃん。ジョージと私がギクシャクして、りん達がそれに気を使ってギクシャクして、って。ああ、もう最悪だ。
「忘れてくんない?それ。私は付き合う気ないし、それが原因でみんながギクシャクするの嫌だし」
「やだ、そんなの。忘れたフリして表面だけ仲良くすんのなんて、絶対気持ち悪い。おなかゴニョゴニョするよ」
同じ24歳なのに、どうしてりんの瞳はこんなに真っ直ぐで、私の瞳は逸らす事しか出来ないんだろう。この子の眼差しが、痛い。
「ジョージは大馬鹿だと思うよ、柴木ちゃんが好きなのにいっぱい他の女の子と遊んだりして。でもさ、でも、ジョージが柴木ちゃんのこと大切にしてるのは見てて分かる。友達の中でも柴木ちゃんの事が1番大切なんだな、ってのはずっと感じてた」