イージーラブじゃ愛せない
「ジョージのこと、友達としてならイイ奴だと思ってる。だから、あんたとイージーラブな関係にはなりたくない。寝ちゃった後でこんな事言うのもなんだけど」
真剣に答えてくれた胡桃の言葉を聞いてハッと気付く。
あ、俺、全然言葉足りてないって。丸ごと全部気持ち伝えなくちゃって。
「あのさ……!」
けれど、言い掛けた俺の声を遮るように、夕暮れの冷たい風が大きな唸りを上げてふたりの間を吹き抜けて行った。
「~っさむい!もう無理!帰ろ!あんたも私も風邪ひく!」
「えぇっ!?」
ちょっと!大事なのこれからなのに!なんで今こんな冷たい風吹くかなあ!?
身体を大きく震わせ歩き出そうとした胡桃を、俺は慌てて正面から抱き止めた。
「ちょっとストップ!待って!」
「な、なに!?もういいでしょ!?」
「ダメ、まだ話終わってない!」
「しつこい!寒い!」
「ほら、これなら温かいっしょ!?だからあと1分だけ!」