イージーラブじゃ愛せない
「え?え??それって……どゆこと?」
「だーかーらー!」
語調を強めた胡桃の顔は横を向いたままだったけど、その頬は少しだけ血色が良くなっている。
「今まで通り1番の友達に戻ろうっての!んで、時々キスしたり寝たりすればいいじゃん。あんた、私が他の男とそういう事すると怒るんだから」
……1番大切な存在で、キスもセックスもするって……
「それって恋人じゃないの?」
「ちがう!」
強く言い切った胡桃の目が不満そうに俺を睨む。まるで照れ隠しみたいに。
「恋人じゃなく、友達+アルファなの!あーもう!それで不満なら知らない!それが嫌ならジョージとは絶交!」
……うっわ。
何これ。ややこし。どんだけ素直になれないのこの子。
…………死ぬほど可愛いんですけど。
「その+アルファって“愛”でしょ?」
「セックスだってば!」
「胡桃って呼んでもいいの?」
「人前で呼んだらぶん殴る」
「デートしてくれる?」
「友達なら一緒に遊びにも行くでしょ」
「うちに泊りには?」
「セックスするんだからそれもあるでしょ。っつか、あんたの部屋片付けといてよね」