黄昏の特等席
見えない内側
必要なものを買うために外出しているミルドレッドはどこがグレイスにとって、一番安全な場所なのか、そんなことを考えていたとき、公衆電話が視界に入った。
公衆電話のガラス扉を押し開けて、中に入り、金を入れて、ボタンを押した。コール音が鳴り響き、電話に出た音がして、よく知る男ーーラッドの声が聞こえた。
ミルドレッドは彼の声を聞きながら、グレイスを思い出している。
「私、やっぱり・・・・・・」
「いけません。グレイスお嬢様」
ミルドレッドはグレイスの言葉を遮った。
「私が何を言おうとしているのか、わかっているのですか?」
「はい」
ミルドレッドの凛とした声だけが響いた。
「クルエル様の恋人になるおつもりなのでしょう?」
黙って頷くと、ミルドレッドは再度ならないように強く言った。
グレイスはクルエルに一緒にならないと、いろいろな人達を傷つけると脅している。実際に仲良しだった使用人が傷つけられてしまった。これ以上誰も傷つけないようにするために好きでもない人の恋人になろうとしている。
しかし、それは間違いであることをミルドレッドは何度も言って聞かせる。
「間違ってなんか・・・・・」
「グレイスお嬢様、どうか約束してください」
ミルドレッドはグレイスの両手を強く握りしめる。
公衆電話のガラス扉を押し開けて、中に入り、金を入れて、ボタンを押した。コール音が鳴り響き、電話に出た音がして、よく知る男ーーラッドの声が聞こえた。
ミルドレッドは彼の声を聞きながら、グレイスを思い出している。
「私、やっぱり・・・・・・」
「いけません。グレイスお嬢様」
ミルドレッドはグレイスの言葉を遮った。
「私が何を言おうとしているのか、わかっているのですか?」
「はい」
ミルドレッドの凛とした声だけが響いた。
「クルエル様の恋人になるおつもりなのでしょう?」
黙って頷くと、ミルドレッドは再度ならないように強く言った。
グレイスはクルエルに一緒にならないと、いろいろな人達を傷つけると脅している。実際に仲良しだった使用人が傷つけられてしまった。これ以上誰も傷つけないようにするために好きでもない人の恋人になろうとしている。
しかし、それは間違いであることをミルドレッドは何度も言って聞かせる。
「間違ってなんか・・・・・」
「グレイスお嬢様、どうか約束してください」
ミルドレッドはグレイスの両手を強く握りしめる。