天然愛され彼女と…俺の生活。

「…あたし、アニメとか漫画が凄く好きなの!」

「…え?」

それだけ?

俺は唖然としてしまう。

俺の考えていたのは、浮気をしていること。

「さ、さっきのエアーサロンパスのにおいがする…てあるじゃん?それ漫画のセリフなの」

どこか照れたように言う透明。

「…そーなの?浮気は?」

俺は気になっていたことを聞く。

「う、浮気?…た、確かにアニメが好き過ぎて浮ついた気持ちにはなったけど…」

透明アホか!

誰もアニメなんて言ってないよ!

…確かに、俺もアニメじゃなくてって言うの忘れたけど。

「ふーん。俺も漫画好きだしいいんじゃない?」

うん。

透明らしいじゃんか。

「え、シグちゃんも読むの!?ねー何読むの!?」

急に食いついて来た透明。

いつも食いついてくれればいいんだけどね…苦笑

俺は自然に頬が緩んだ。

「透明知ってるかな」

俺はニヤニヤしながら、嫌味のように言う。

すると、ムッとする透明。

「あたしを馬鹿にすると痛い目あうからね!凄いんだから!」

そして始まった知ってる漫画どれだけ言えるか大会。

「○のエクソシスト」

俺は全て少年漫画。

透明はと言うと…。

「ク○スゲーム」

透明も少年漫画を出して来た。

奥の深いものばかりをだしてくる。

え、女の子それ読むの?…ってやつばかり。

どんどんと言っていくうちに、俺のネタが尽きる。

「降参…」

ちくしょう。

透明に負けるなんて…。

「ほーら、あたしの勝ち!さっきのエアーサロンパスのにおい…あれハ○キューのセリフ」

楽しそうに漫画とアニメの感想を述べる透明。

何をしてるよりも楽しそうに怒ったり笑ったりしてて…。

改めて可愛いなって思ってしまった。

こりゃ透明から離れらんねーな。

「ハ○キューで一番好きなのはね!月島○なんだ!クレーバーなんだよ!?なんかねシグちゃんに似てるから凄く好きぃ」

ベッドでゴロゴロしながらキャーキャー騒ぐ透明。

…それって遠回しに「俺に似てるから好き」って言ってるのと同じだよね?

不意打ちを突かれて、顔が赤くなる。

「シグちゃん?」

俺は下を向いて、顔を見せないようにする。

透明はそんな俺の顔を見るべく、強引にかつ、全力で戦いを挑んでくる。

最終的に乱闘に入ってしまうのがオチ。

俺んちではこれが毎回。

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