天然愛され彼女と…俺の生活。
彼女は海より山派です。
夏休みに入って5日。
テストは無事に乗り越え、まさに夏を満喫中。
来たのはやはり……。
海、ではなく山!?
え、え?
なんで!?
透明から珍しく誘われたと思ったら!
なんで山!?
ここは海だろ!
「シグちゃーん、早く!空気が気持ち良いよ!」
ピョンピョンと跳ねる透明。
なんで山でこんなにはしゃげるんだろうか。
俺には分からない。
リュックを背負い直して、透明を追う。
「透明、なんで山?海行かねーの?」
「えー?山って空気美味しんだもん。…海はね、……来週にでも行こうよ!」
なんか誤魔化そうとしてる透明。
俺には話せないのか…。
不思議とため息がでる始末。
まぁ…透明もそのうち言うだろうね。
「待てよ、透明!」
俺は今の透明に付き合ってやんのが筋だと思うから。
昔なんていらない。
俺だって知られたくない過去くらい…ある。
だから、ココはとことん付き合う。
「シグちゃん、遅ーい!運動音痴」
……今の最後のセリフ。
前言撤回させてやる!
俺は勢いよく登り出した。
透明はそんな俺を見てにこやかに笑う。
そうでなくちゃ…そんな感じに。