天然愛され彼女と…俺の生活。

「…シグちゃんはいつも優しいから、あたし幸せなんだ」

急に嬉しそうに微笑むもんだから、俺は面食らってしまう。

「…シグちゃんが一番だよ。ホントに…だから、あたしを一人にしないで」

余りにも寂しそうに言うから…。

ギュッと抱きしめた透明の身体は、思っていた以上に小さいなぁって感じた。

「俺もだよ」

…でも不安なんだ。

海に何故そんなに行かないのか。

海行こうか、そう言っても透明は頷かない。

でも今回は来週に…そう言ったんだ。

でも、透明は何か隠してる。

そして…打ち明けようとしている。

透明の友達・安達 結衣(あだち ゆい)なら知っているだろうか。

幸翔が紹介したのは、最初は安達結衣だった。

まぁ、向こうも向こうで付き合う気はなく。

だから、その代わりに透明を紹介してきたのだ。

その時の透明は苦虫をすり潰したような…そんな顔。

男なんて見たくない。

コッチみないで。

そんな感じ。

でも俺も女なんて面倒臭いし、好きには余りなれない。

だから、別に話しかけることもしなかった。

紹介されても、挨拶交わして、ハイ終了…的な。

きっと男嫌いの原因がいるはず。

それなのに、透明はおすおず俺に話しかけてきた。

ココはもう話すしかないと思ったんだと思う。

でも、俺も優しくはなく。

素っ気ない返事。

…何故だかそれが嬉しい?…ようで、笑顔が増えた。

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