天然愛され彼女と…俺の生活。
「シグちゃん、あたし、…最低かも」
泣きそうになりながら、俺に笑いかけてきた。
…振る?
俺は振られる?
「何が?」
「あたし、シグちゃんに甘えてた。初めてこんなに好きになれたよ。離れないでね」
そう言った顔は…どこか怯えたようなそんな顔。
何かあるんだ。
透明は空を見上げた。
だから、俺もそれにつられて空を見上げる。
そこには晴天の青空。
少し…ほんの少し雲はあるものの、何も遮るものがない。
「「透明(シグちゃん)みたい…」」
透明と俺の声が重なる。
「「…」」
二人して無言。
そして二人で笑い合った。
どこが俺みたいなんだよ。笑
そんな感じ。
いつも仏頂面の俺に対して、この空が俺?笑
まぁ…透明が笑ってくれるなら、俺は生きていける。
「…隠せるのももう少し」
ボソッと呟いた透明。
俺には小さ過ぎて聴こえなかった。
でも聞くわけでもない。
だって…言いたいことがあるなら、透明は馬鹿でかい声で報告してくれる。
俺は…女の子を初めて信じられたんだ。
前の俺なら、絶対に振ってた。
近づくなオーラを出しても、それは見事に透明には効かなかった。
ズカズカズケズケと踏み込んできた。
悪いみたいに聞こえたかもしれない。
なら訂正する。
その無垢の優しさが、俺の心に届いたんだ。
そして俺に…「好き」と言う感情をくれた。
だから、俺は透明を信じる。
だから、いつか話してくれませんか?