天然愛され彼女と…俺の生活。
そう言えば、透明の格好が気になる。
黒のフリフリのビキニ水着。
下にスカートも着いているらしく、透明はご機嫌。
ビキニの上は首の後ろでしばるタイプ。
…でも、それがどこか外れてしまいそう。
「透明、外れそう」
ほどけそうな心配。
俺がそう言うと、透明は後ろを向く。
ん?
「…ん?縛ってくれないの?」
不思議そうに振り返った透明。
あ、縛れってか?
俺は砂浜に荷物を置いて、透明の水着の紐を縛る。
リボン結びを何気に綺麗にできた。
「上手い」
自分で自分を褒め称える。
透明は、そんな俺をみて苦笑。
「上手いけど、下手くそだね!来年はもっと上手く結んでね」
そう言って微笑んだ透明は、どこかやっぱり大人だった。
そして、俺は焦って焦って、苦しむのである。
俺たちは余り観光客が来なそうなビーチを選んだ。
選んだのは、透明だ。
何をどう考えたら…このビーチになるのか不思議だ。
「このビーチ…懐かしいな」
少し目が泳いだ気がする。
…あくまで気がしただけ。
でも、地元の人たちで賑わっている。
砂浜は綺麗だし、海だって綺麗な色。
俺たちは荷物を置いて、駆け出していた。