天然愛され彼女と…俺の生活。
「シグちゃん、海きれっ」
ズコッ!
漫画に出てきそうなシチュエーション。
砂に足を取られて手は上。
そして…動かない。
おいおい!
「す、透明?」
大丈夫?
俺は透明の横に立つ。
でも動かない。
俺はしょうがなく、透明を持ち上げた。
そこには泣きそうな透明。
「うぅ…痛い」
「自分が悪いでしょ?」
俺は透明に顔を寄せる。
透明はプイッと顔を背ける。
「透明は何も悪くないもん!砂が悪い」
お子ちゃま透明は、砂をみて顔をしかめる。
「…透明は、悪くない」
いつもは「あたし」と言う透明が…。
今は「透明」と呼んでいる。
「…わかった。じゃあこうしよう。透明も悪くて俺も悪い」
そうだ。
俺が助けてやるへべきだった。
透明も悪いけど、俺も悪い。
「透明、ごめんね」
俺は透明を砂浜に下ろして、おでこをくっつける。
「…透明も悪かった。ごめん。意地っ張りだった」
シュン…だんだんとしぼんでいく透明。
今日の透明は本当に子供のよう。
「分かればいーよ。遊ぼうな、たくさん」
「うん!時雨とたっくさん遊ぶ♡」
透明は微笑んで、俺の手を引っ張る。
「…そー…ん?」
時雨とたっくさん遊ぶ?
シグちゃん?
時雨?
「透明っ!」
俺は顔が熱くなるのが分かった。
透明は「ん?」と首を傾げる。
可愛かった。