天然愛され彼女と…俺の生活。
「…もう一回」
「え?」
小さ過ぎて聞こえなかったらしい。
「もう一回、時雨って呼んで欲しい」
俺は透明の目を見る。
「…時雨、好き」
たったの二言だったかもしれない。
それでも、俺には新鮮で最愛の言葉。
コレが聴きたかったんだ。
シグちゃん好き。
それはわかってる。
でも…。
時雨好き。
この一言が嬉しかったんだ。
顔が熱い。
それは…太陽のせい?
…そうしとこ。
そうじゃなきゃ、俺は…恥ずかしくて。
「うん。俺も透明が好きだ」
そう言うと、透明の顔が赤く染まる。
それは決して太陽の熱さのせいじゃない。
「…なんか、照れ臭いね」
ぎこちなくはにかむ透明。
「そーだな。でも…たまには悪くない」
俺は透明を抱っこして、海に飛び込んだ。
浮き輪のせいで雰囲気台無し。笑
透明が沈むはずだったんだけどな。
俺は少しそう思ったが、これが俺たちなんだ。
どんなに…可笑しくしても。
どんなに、苦しくても。
笑ってるのが、俺たちだ。