天然愛され彼女と…俺の生活。
結衣はきっとわかってる。
なんで体育館に毎回のように行くのか。
体育館に行くための渡り廊下。
そこをルンルンで歩く。
ダンダン…そんな音が聞こえてくる。
あ、やっぱり…!
あたしは駆け出して、体育館を覗いた。
そこには汗だくになりながらも一生懸命にシュート練習をしている男の子。
あたしの好きな人。
「あ、空園」
「あ、」
見つかっちゃった。
あたしは罰が悪そうに体育館に入る。
この体育会系の男の子は、朝倉 櫆(あさくら かい)。
「朝倉君、頑張ってるね」
あたしはお弁当箱を体育館の隅に置いて、朝倉君に近寄る。
朝倉君は中学一年生の時に、同じクラスの隣の席だった。
だから一番先に友達になった。
「まぁね。だって…俺、キャプテンだし」
ニシシッと笑う朝倉君。
あたしもつられてそれに笑った。
夏の総体も終えて、新たに結成された部活。
バスケはあっという間に終わったらしく。
夏休み後半からは、もう朝倉君がキャプテンとして頑張っていた。
得点源はやっぱり朝倉君。
この前、大会を見に行ったけど…かっこよかった。