天然愛され彼女と…俺の生活。

「朝倉君ってモテるよねー」

流石バスケ部って感じ。

「それな!俺かっちょいいから!」

朝倉君はあたしの手を引いてステージに座らせた。

「自分で言うー?」

笑ったあたしを見て、朝倉君も笑う。

「…てか、空園ずっげぇーモテるよね」

「…うーん?まぁ、可愛いからね!」

あたしは朝倉君のマネをして笑った。

「……だよね」

何故か真剣にジッと見られる。

「な、何?」

ツッコミされるために言ったのに。

「空園、美人だもんな。こりゃモテるわ」

朝倉君はサッと視線を逸らして、あたしがいるステージから離れた。

シュート練習をまた再開する朝倉君。

あたしはジーッと朝倉君を目で追う。

「…モテるの別に嬉しくないもん。好きな人からモテたいな」

小言で呟いた声は、朝倉君のつくボールの音とバッシュの音によって掻き消される。

「…空園ー。彼氏作んねーの?」

急だった。

いつの間にか、あたしの目の前にいて。

朝倉君はあたしの目を見る。

「…好きな人なら付き合う」

目の前の好きな人に向かって…。

あたし何言ってんだろ。

カーッと赤くなる頬。

「ふーん」

心底どうでも良さそうに言うものだから、呆れてしまった。

朝倉君はまたシュート練習。

「ねー。朝倉君も彼女作んないの?」

朝倉君はモテるけど、部活一筋って感じで誰とも付き合わない。

「…うーん。今の所はねー。好きな子なら付き合うけどさー?」

……好きな子!?

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