天然愛され彼女と…俺の生活。
またチャイムがなった。
ん?
五分前のチャイム?
「もう五分前だね」
「…透明、悪いんだけど…もう授業始まってる」
「うぇっ!?嘘ぉ!」
あたし真面目だからサボったこと一度もないのに!
あたしは朝倉君を置いて、弁当箱のある端に走った。
すると…パシッと腕を掴まれた。
「…あ、朝倉君?」
朝倉君の顔は、いつもよりなんだか赤くなる回数が多い。
必ず一回はなるけど、こんなに多く赤くはならない。
「お、俺!空園のこと…透明って呼んだ。だから…その俺とサボってみない?」
朝倉君の真剣な顔。
あたしはハッとして記憶がフラッシュバック。
『…透明、悪いんだけど…もう授業始まってる』
確かに「透明」って読んでくれた。
嬉しかった。
サボるのは気が気でなかったけど…。
朝倉君もサボるなんて初めてだと思うから。
きっと何か理由があるはず。
それに…。
「あ、あたしも櫆と一緒に居たいな」
はにかむと朝倉君は驚いた顔。
でも朝倉君は照れ臭そうに笑った。
「透明に『櫆』って呼ばれると照れるな」