天然愛され彼女と…俺の生活。

あとから結衣に聞いた話によると、
「ねぇ、空園透明見た?」
そう言って、探し回ってくれたらしい。

あたしも朝倉君が委員会で居ない時はずっとその教室の外で待ってたりもした。

だから、少し告白してみようかな…って思ったんだ。

いつもの昼休み。

あたしは結衣とご飯を食べた後、すぐに体育館に向かった。

そこにはやっぱり朝倉君がいた。

弁当箱を端に置いて、朝倉君に近づく。

「透明じゃん」

「うん。空園透明だよ。朝倉君は受験生なのにいいんですか?」

あたしは笑いかける。

すると苦笑いの朝倉君。

「うーん、よくはないけどね。俺は身体動かしてないと何もやる気が起きないんだよね」

「へー。大変な悩みだね、それ」

「だろ!?」

なんて笑い合う。

でも、もうそろそろ…あたしの気持ち気づいて!

そんな感情が膨らむ。

振られても良かった。

この関係が無くならなければ。

「朝倉君、あたしこの朝倉君との時間凄く好きなんだ」

あたしは笑いかける。

朝倉君は驚いた顔。

「うん。俺も実を言うと好きだよ」

「じゃあ、何が起こっても…この時間は二人だけのものね?」

朝倉君は笑って頷く。

「あさ…櫆に言いたいことがある」

あたしはあさ…櫆の手を引っ張って、バスケットコートの真ん中。

そこに櫆を立たせる。

櫆は不思議そうに首を傾げる。

「あ、あのさ、櫆!あたしがスリー入れたらあたしも彼女の候補に入れて欲しいんだ」

顔が熱い。

どうしよう。

涙目のあたし。

櫆は10秒間瞬きだけを繰り返す。

そして…理解してくれたのが、1分後。

真っ赤になった櫆の顔。

「す、透明」

「ぜ、絶対だからねっ」

これがあたしの精一杯の告白。

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