天然愛され彼女と…俺の生活。
あたしは口の震えを懸命に抑える。
でも…もし外れたらっ。
あたしの気持ち報われない。
どうしよう。
…怖くなって、手が震えて、足がガクガク震えて。
もう立って居られないほどだった。
フラッと前に倒れそうになった時、誰かの腕に抱きとめられた。
「す、透明。もういいから…。ねぇ、俺がハーフコートからシュート入ったら。俺と付き合ってよ」
あたしをお姫様抱っこして、ステージに寝かせる。
まだまだ体が震えて…手がだんだん冷たくなる。
櫆は上に着てる学ランを脱いであたしにかける。
「か、櫆っ」
いつも通り櫆は振り向いた。
「安心しろよ。俺ずっとお前が好きだったんだ。告白すら気持ち知らなきゃ、できない気弱な男だけど…ココは見せ所じゃね?」
フハッと笑う櫆はいつもよりカッコ良かった。
あたしは額に手を当てると…いつもより随分と熱い。
…熱あったかも。
だからいつもよりクラクラフラフラしたんだ。
ボールをつきながら、ハーフコート。
その後ろ姿はどこか彼特有の優しさがある。
そして…やっぱりバスケ部なんだって思い知らされる。
「…櫆、入れて」
あたしは呟いた。
すると振り向いて、手を振った櫆。
やっぱりどの男の子よりもかっこいい。