天然愛され彼女と…俺の生活。
付き合いたてに、哉魔屋くんに呼び出しをくらあうなんて…!
てか、その前に櫆に櫆に行かなきゃ。
あたしは隣の隣のクラスに居る櫆に、会いに行った。
「…櫆?」
あれ?
櫆が居ない。
あたしは櫆と仲のいい友達・由良 陵介(ゆら りょうすけ)に聞く。
「ゆ、由良。櫆知らない?」
背の高い由良は、あたしを見て…困惑の表情。
「…知ってるよ。でも櫆に言うな、って言われてるんだ。透明ちゃんごめん」
え?
言わない約束?
「そ、そっか…ご、ごめっ」
あたし、信用されてなかった?
「由良、櫆に少し用事あるから昼休み行けない、って伝えてくれる?」
「…わかった」
由良の表情はいつもより硬い。
あたしは櫆の教室をでて、哉魔屋くんと約束した教室につく。
「あ、空園さん来てくれたんだ」
中学3年の秋。
あたしは信じられない光景を目にした。
振り向いた哉魔屋くんの手には、ナイフ。
そして…哉魔屋くんの影から出てきた…櫆。
どういうこと?
「か、櫆っ?」
櫆は手首から血が出ている。
しかも…何本も。
「ご、ごめん!哉魔屋くん悪いんだけど櫆を保健室に連れて行ってからにしていいかなっ?」
あたしは哉魔屋くんの顔をみずに、返事も聞かずに、櫆の肩に手を回して保健室に向かう。
「…透明」
少し苦痛の表情。
「だ、大丈夫!?怪我多いよっ?哉魔屋くんにやられたの?」
あたしはスカートのポッケに入っていたお気に入りのハンカチを櫆の腕に当てる。