天然愛され彼女と…俺の生活。
「まぁね。別れろ、って言われたんだよ。嫌だね、って言ったら…切られた」
ニッと笑う櫆。
そんな…あたしのことで、櫆は怪我したの?
「か、櫆。ご、ごめんなさい。あたしのせいでっ…」
涙がポトリポトリと廊下に落ちる。
生徒で溢れているから、あっと言う間にあたしたちの周りは囲まれる。
「…悪いけど、通してくれね?」
櫆は真顔であたしの肩をだいて、男の子を押しのけた。
すると道がだんだん開けていく。
あたし…櫆の荷物なのかな。
もう櫆を傷つけなくないよ。
「…俺ね?やっとお前と付き合えたんだ。俺そこまでイケメンって訳じゃねぇーじゃん?だから、眼中にないって勝手にそう思って凹んでた」
あたしはこくりと頷く。
「でもさ、お前が忘れ物した日…俺の隣にいる透明のこと見て、嗚呼透明がとなりに居てくれたら俺は幸せなんじゃないか、って思った」
「うん」
「…お前が勇気だしてくてたお陰で俺も頑張れたんだ。透明が笑ってくれれば俺…どんなにどんより曇りでも、晴れになるんだ。付き合ってないのに、約束してないのにずっと体育館きて俺、嬉しかったから」