天然愛され彼女と…俺の生活。

「だから、俺が透明を幸せにする。誓うから泣かないでほしい。笑ってて欲しい。これからも俺の女神の彼女でいて欲しい」

恥ずかしい言葉をサラッと言ってのけてしまう櫆は、ホントにかっこよかった。

「わかった。あたしは櫆の為に笑う。だから、一人で傷つかないで?あたしだって櫆の彼女だよ?肩書きだけが欲しかったんじゃない」

保健室について、保健の先生に手当をしてもらう。

痛々しい傷。

でもね、櫆が笑って欲しい、って言うんなら…。

あたしはどんな時でも、君の近くで笑ってる。

だから、櫆だけが流す涙はいらない。

時にはあたしだって泣くんだ。

櫆がいなくなったら、あたしはどう生きて行けばいいのかな?

君の居ない未来なんてどうでもいい。

櫆さえいれば、あたしはいつでも幸せなんだ。

「櫆、アナタがいれば何も要らないよ」

「…実は俺もだったりするから、ムカつく」

照れ笑いする櫆。

だから、気づきもしなかった。

まだ哉魔屋くんの逆鱗に触れていたこと。

それと…まだこれが初歩のことだったこと。

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