天然愛され彼女と…俺の生活。
夏休み。
この時、行かなければ良かったんだ。
そしたら…、櫆が隣から居なくなるコトは絶対になかった。
前に哉魔屋くんがいたあの海岸。
その場で事件が起こった。
「櫆、櫆泳げないんでしょ?」
あたしは櫆を馬鹿にする。
「…そ、そんなことないぞっ!俺は泳げます。去年は忘れろ!未来は安泰だ」
何馬鹿なこと言ってんだか。
あたしは呆れ笑い。
すると、櫆があたしの手を握った。
あたしはいつもよりも近くに寄り添う。
ねぇ、櫆。
ずっと一緒だよね?
海についたあたしと櫆。
そこには、哉魔屋くん。
男友達と遊んでいて…。
あたしと櫆は顔を見合わせた。
「…やっぱり」
櫆は呟いた。
へ?
やっぱり?
櫆はあたしに笑顔を向ける。
「…お前はココで待ってて」
え?
あたしに荷物を押し付けると、櫆は哉魔屋くんに近づく。
あたしも少しずつ近寄って聞こえる距離まできた。
「…透明は、渡さないから」
そして、何かを言いあったあとに、海に飛び込んだ。
あたしは荷物を放って、海に走る。
そこにはクロールで向こうの沖にある旗を取るのかも知れない。
…待って!