天然愛され彼女と…俺の生活。
代わりにでたのは…。
「好きだよぉ。櫆が凄く…。櫆しかもう目に入らないのにぃ」
本当の気持ちだけだった。
ねぇ、嫌だよ。
「…ごめん。俺が透明から逃げたかったんだ。でも嫌いな訳じゃないんだ」
「…っ」
「きっと俺がこの身体になってから、透明は不幸になるんだよ。俺はもう一生この身体。透明はきっと泣くだろう?」
ヒョコヒョコ歩きで、あたしの側にくる。
そして櫆の答えに涙がでた。
あたしの頬に手を添えて、親指で涙を拭われる。
そりゃ泣くでしょ?
男の子はきっと女の子の気持ちなんて一生理解してくれないんだろう。
あたしはそう思った。
「…好きって特別なんだよ?知ってた?」
「…うん」
「好きなんてしょっちゅうあたしが言ってる?」
「…言ってない。だって言ってくれたのまだ20回くらいだもん」
あたしは櫆に「好き」を余り言わないようにしている。
櫆は何かあるごとに「好き」を使いたがるけど…。
「…あたしの好きって特別なんだから。あたし最近多めに言ってるじゃんか」
あたしなりの精一杯。
「…っ!もしかして!」
「………愛してるよ。櫆」
あたしは櫆の手を握った。
そして背伸びして頬にキスをした。
「…櫆の為なら、あたしは笑う。だから櫆もあたしの為に笑顔でいてね」
「笑えない時だってあるよ」
「あたしだってたまに笑えない時もあるけど…二人で共有するのが…な、なんて言うの?うん、アレね。うん」
なんて言えばいいのか分からない。
でも櫆には伝わったみたい。
「…そうだな。アレだな」
櫆が幸せそうに笑ってくれるから、あたしはそれ以上に幸せになるんだ。
きっと今の笑顔は櫆の目に、綺麗に映っているのかな?
あたしはこの時思った。
櫆の幸せは、あたしの幸せなんだ。