天然愛され彼女と…俺の生活。

彼女は漫画が大好きです。


「…ココは、透明の部屋?」

俺は思わず聞く。

透明はコクリと頷く。

そこは…なんと言うか雑風景。

女の子の部屋って感じではない。

逆に男の部屋でもない。

ものも必要最低限置いていない。

部屋には、寝る為のベッド。

そして勉強机に、服を入れる為のタンス。

そして本棚。

たったのそれだけ。

しかも本棚は二重構造で奥にも入れられるタイプ。

手前には沢山の参考書。

奥は見えないけど…。

「…寂しい、かな」

透明は苦笑い。

そんな顔すんなよ。

俺はぎゅっと抱きしめた。

透明は静かにドアをパタンと閉めた。

「…親ね、厳しいの。だから勉強だって10位以内で当たり前だし…、1位で凄いねってやっと褒めてくれる」

寂しそうに笑って、俺の胸に顔をうずめる。

制服が濡れて行くのは…何でだろう?

俺は…分かってなかったんだ。

「…俺は、どんな透明だって褒めてやる。今俺の前で泣いてくれてる透明だって全てが可愛いよ」

「うぅ…シグちゃんの馬鹿ぁー」

透明がドンッと俺を押した。

透明も一緒に倒れ込む。

これはまずい!

透明が怪我でもしたら…!

俺は無我夢中で透明の頭をグッと抱きしめる。

ポスンッ…嘘だろ?

俺は目を開けると世界が逆転。

天井を見つめる。

俺の胸から顔を上げる透明。

そこには、無自覚な天然の赤ずきん。

後ろは…ベッドだった。

これってさ、アリだよね?

透明赤ずきんには、理解出来てないみたいだけど…。

狼の俺が食らっても言い訳だ?笑

俺は…理性と戦いながら。

勝ったのは…。

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