恋するリスク
憂鬱な朝。

ここのところ色々なことがあったけれど、ここまで仕事に行きたくないと思ったのは、初めてかもしれない。


(佐藤くんは・・・大丈夫かな。)


昨日の今日で佐藤くんのことは気になるけれど、私は自分を維持するだけでもいっぱいいっぱいの精神状態で、彼の状況にまで心を向ける余裕がなかった。


(とりあえず患者さんには迷惑かけないように・・・がんばらないと。)


どんよりとした気持ちを抱えつつ、私はなんとか職場に向かった。

「おはようございます。」

「おはようございまーす。」

ナースステーションに顔を出すと、皆変わらずに自然な挨拶をしてくれるけれど。

きっとみんな昨日のことを知ってるんだろうな、と思うと、気分は沈んだままだった。


申し送りを終え、準備室で点滴の用意をしていると、後ろから声をかけられた。

「藤崎さん。」

「はい?」

振り向くと、にこやかに微笑む相沢先生。


(・・・!)


私の顔は、今確実に引きつっている。


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