恋するリスク
「浮気」という言葉に、私はピクリと反応する。

相沢先生は最初から、正真正銘の本命の彼女なのだ。

「6年ちょっと付き合ってるわけですけど・・・

その間に、私が知ってるだけでも藤崎さんのほかに5人います。」


(5人!?)


驚愕の数字に、ちょっとたじろぐ。

「でも、その5人とも、1、2か月のやりとりで終わってるんですね。

でも・・・藤崎さんだけは違った。

ずっと・・・2年くらい、続いてましたよね。」

相沢先生の話に、私は言葉を失う。

「彼は気づいてないみたいですけど、私、メールとか見ちゃうタイプなんですよ。

それで・・・ずっと気になってました。藤崎さんのことは。」

思わず息を飲んだ。


(ずっと・・・知ってたの!?)


さまざまな事実に、衝撃が走る。

「それで、職場で藤崎さんを見た時、ああこの人かって・・・悔しいけど、納得しました。」

「納得・・・?」

「はい。これだけキレイで仕事も出来て、患者さんやスタッフにもやさしいし。

西村先生が好きになるのも、当然かもって。」

相変わらず自嘲気味に、彼女は呟く。





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