恋するリスク
「藤崎さんはキレイだけど・・・私みたいな肩書はないでしょう?

だからきっと・・・彼は、藤崎さんのことは、ちゃんと中身を見て好きになったんだと思います。」

語尾が震えていた。

相沢先生も、ここまで話すつもりはなかったのかもしれない。

一度吐き出してしまった思いは、コントロール不能で、彼女自身止めることが出来ないようだった。

まばたきをしたら涙がこぼれそうな彼女の瞳に、私はキュッと胸をつかまれた。

「よく・・・わからないですけど。」

たまらず私は口を開く。

「医者になるのって、めちゃくちゃ大変じゃないですか。

西村先生は相沢先生の家庭教師で、すごく身近でがんばってるとこ、見てきたんですよね、ずっと。

仕事だって、いつもがんばってるじゃないですか。

肩書って、プレッシャーになるとかも聞くし、そういうの背負ってる姿とかも・・・

肩書にひかれたんじゃなくて・・・そういうの、全部ひっくるめて、

西村先生は相沢先生がいいって思ったんじゃないですか?」

私は、一思いに気持ちを告げる。




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