恋するリスク
「両想いに見えますけど・・・付き合わないんですか?」

「まあ・・・いろいろと・・・。」

最大の理由が西村先生だったとは、相沢先生には言えない。

「そうですか。まあ、当人同士しかわからない理由ってありますもんね。

・・・でも、がんばってください。」

「へ?」

「藤崎さんと佐藤さんがくっついてもらわないと、私も困るんです。

藤崎さんがフリーだと、また、彼がちょっかいだすかもしれないし。」

いたずらっぽく笑う相沢先生。

今は、どこにでもいる、ごくごく普通の恋する女の子の顔をしている。

反応に困っている私に、相沢先生はもう一度、視線を合わせて呟いた。

「・・・だから、がんばってください。」
< 144 / 174 >

この作品をシェア

pagetop