恋するリスク
告白
翌日。

準夜勤で出勤した私は、いつものように、医局の前で菱沼製薬のMRさんたちに遭遇した。

「こんにちは。」

「ああ、藤崎さん!先日はうちの佐藤がどうもすみません!」

目が合うや否や、島村さんは私に深々と頭を下げる。

「いえ・・・ていうか、こちらこそ・・・。

あの、それで、佐藤くんは・・・?」

いつもいるはずの、彼の姿が見えない。

いま私の前にいる菱沼製薬のMRは、島村さんと、いつか会ったことのある、新人くんの2人だけだ。

「あ、あー・・・ええと、研修中でして。」

「研修?」

「はい・・・あっ!百瀬先生!」

そのまま島村さんは、百瀬先生を追って行ってしまう。

新人くんも、私に軽く会釈をすると、島村さんの後を追って行ってしまった。

「・・・。」


(なんか、誤魔化してるように思えたけど・・・。)


なんとなく嫌な予感がしたものの、それ以上、私はどうすることもできなかった。

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