恋するリスク
「いえ、それは全然・・・。

あの、藤崎さん。オレでよければ本当にいつでも・・・。」

佐藤くんが何かを言いかけたとき、先生チームのテーブルから、「佐藤、ちょっと来い」という島村さんの声が響いた。

「すいません、ちょっと行ってきます。」

「うん。」

私はそれを特に気にも留めず、目の前にある枝豆をつまみだす。

すると、聞き耳を立てていたわけではないし、距離も結構離れているのに、「藤崎さんは西村先生の・・・」という会話の部分だけ、なぜか私の耳に届いてしまった。

「・・・そうなんですか。わかりました。」

最後に、そう答えた佐藤くんの声が聞こえた。

「藤崎さんは西村先生の彼女なんだ」と言って、あまり親しくするな、とか、そんなような内容のことを言われたのかもしれない。


(やだな・・・。)


もう、彼女じゃないのに。




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