恋するリスク
「ラーメン屋ですけど」と前置きしてから、うれしそうに言う佐藤くん。

その姿は、ちょっとかわいい。

「ふふっ。じゃあ、お言葉に甘えて・・・。

ねぎラーメンに、ねぎトッピングしようかな。」

「ええっ!?どんだけねぎ好きなんですか・・・。」

二人で笑う。


(なんだろう。ちょっと、楽しいかも。)


何も考えないで、楽しいって笑える。

気持ちが上がっていくように、楽しいって思える。


(まあ・・・佐藤くんは、誰でもそういう気持ちにさせちゃうもんね。)


営業職だから、人当たりがいいのは他のMRさんも同じだけれど、佐藤くんはその中でも、人を安心させる魅力を持っていると、私は思う。

「はい、おまちどお。」

私の前にねぎラーメン、佐藤くんの前にチャーシューメンが置かれた。

ふわふわと上がっていく湯気と濃厚な豚骨スープの香りに、私は大いに期待する。

「おいしそう!いただきます。」

「はい。どーぞ。」

ふうふうと息を吹きかけながら、ずるずると麺をすすっていく。

とろりとしたスープが絡まったラーメンは、期待通りにおいしかった。






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